【アメリカ】予測市場と歴史的提携、北米主要スポーツで初の事例

nhl

北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)が、予測市場大手のKalshi1およびPolymarket2と公式パートナーシップを締結した。これは北米の主要プロスポーツリーグとしては初の試みである。

この契約により、両社はNHLの公式データやロゴを使用する権利を得る。一方、NHLの試合中継では両社のブランドがデジタル広告として表示される予定だ。NHLのキース・ワックテル上級副社長は、ファンエンゲージメントの拡大と、従来のスポーツベッティングにはないクロスセリングの可能性に期待を示している。

予測市場はイベントの結果を金融商品のように取引するプラットフォームだが、事実上のスポーツ賭博であり州レベルの規制が必要だとの批判もある。実際にNFLなどは懸念を表明しているが、KalshiのCEOは今回の提携が「安全性と信頼性の証」だと強調した。

今回の提携は、規制下にあるスポーツブック事業者に対し、予測市場への参入を促す圧力となる可能性も指摘されている。


  1. Kalshi(カルシ):
    米国の金融当局から正式な認可を受けた、規制下の予測市場プラットフォーム。米国商品先物取引委員会(CFTC)から「指定契約市場(DCM)」としてのライセンスを取得しており、金融取引所として運営されている。 ↩︎
  2. Polymarket(ポリマーケット):
    ブロックチェーン技術を基盤とした、分散型の予測市場プラットフォーム。特定の企業や国が管理する中央集権的なサーバーではなく、ブロックチェーン上で自律的に運営されている。 ↩︎