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大阪府と大阪市が、国内初のカジノを含む統合型リゾート(IR)「MGM大阪」の2030年後半の開業に先立ち、2029年に「ギャンブル依存症対策拠点」を開設する計画であると報じられた。
日本経済新聞の報道によれば、施設の設置場所は未定だが、依存症当事者やその家族に対する介入・治療支援の提供に加え、対応する医療従事者の育成機能も備える見通しだ。
また、拠点開設に向けた先行的な取り組みとして、大阪府は今年4月から、依存症患者や家族を弁護士や民間支援団体とオンラインでつなぐ試験的な相談事業を開始する予定である。
この対策拠点の整備は、2022年10月に大阪府議会で可決・成立した「大阪府ギャンブル等依存症対策に関する基本条例」1に基づく施策の一環として位置づけられている。
IR開業を見据え、懸念される社会課題に対し、ハード・ソフト両面での包括的な支援体制の構築が進められている。
source: [ggrasia]
- 「大阪府ギャンブル等依存症対策に関する基本条例」は、大阪でのIR(統合型リゾート)誘致を見据え、国(IR整備法)の要請に先行する形で作られた、全国的にも特徴的な条例である。この条例は「IRができるから対策する」だけでなく、「既存のギャンブル依存(パチンコ・スロット等)も含めて包括的に対処する」というスタンスを取っている点が非常に重要である。特に具体的かつ重要となる対策のポイントは以下の通り:
1. 府独自の「大阪依存症センター」の設置・機能強化
条例に基づき、大阪府「大阪精神医療センター」(大阪府枚方市)を拠点機能を持つ「大阪依存症センター」として位置づけ、対策の中核としている。
・専門医療枠の確保: 依存症専門の診療枠や入院プログラムを拡充している。
・連携拠点機能: 医療機関だけでなく、自助グループ、民間支援団体、行政機関をつなぐハブ機能を担っている。
2. 青少年への予防教育の義務化
これが最も特徴的な点の一つ。将来のリスクを低減するため、教育現場での対策を強化である。
・高校生への予防教育: 大阪府立高校等において、ギャンブル依存症に関する正しい知識やリスクを学ぶ予防教育の実施を進めている。
・啓発教材の作成: 教育委員会と連携し、独自の教材や指導案を作成して授業で活用しています。
3. 相談体制の多層化(オンライン・24時間対応)
相談のハードルを下げるため、従来の窓口に加え、多様なアプローチを用意しています。
・大阪府こころの健康総合センター: 電話や来所による専門相談の実施。
・SNS・オンライン相談: 若年層もアクセスしやすいよう、LINEなどを活用した相談窓口の整備や、今回ニュースにあったようなオンラインでの多職種連携(弁護士・支援団体等)相談の試験導入。
4. 依存症対策の「見える化」と啓発
依存症啓発月間: 国の週間に合わせるだけでなく、府独自に啓発イベントやセミナーを集中的に実施。
「大阪府ギャンブル等依存症対策推進計画」の策定: 条例に基づき、具体的な数値目標やスケジュールを定めた計画を策定し、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回していく。
5. カジノ事業者・関連事業者への責務
条例では、府や府民だけでなく、関係事業者(パチンコ店や公営競技場など)に対しても、依存症対策への協力(広告宣伝の配慮や相談窓口の周知など)を求めている。これはIR開業後、MGM大阪などの事業者に対しても厳格に適用される基盤となる。 ↩︎

