米国マサチューセッツ州において、スポーツベッティング業界を揺るがす厳しい規制法案が提出された。ジョン・キーナン上院議員1が提出した「スポーツベッティングによる経済的・健康的・社会的損害に対処する法律」は、事業者に対し、現行のビジネスモデルの抜本的な見直しを迫る内容となっている。
法案の骨子は、現在20%であるオンラインスポーツベッティングの税率を、ニューヨーク州と同水準の51%へ引き上げることにある。加えて、試合の進行に合わせて賭けを行う「インプレイ・ベッティング(ライブベッティング)」の全面禁止も盛り込まれた。
消費者保護の観点からは、1日1,000ドル、月間10,000ドルを超える賭けを行う場合、厳格な資力確認(アフォーダビリティ・チェック)が義務付けられる。具体的には、賭け金が利用者の銀行口座残高の15%を超えないよう制限される可能性がある。また、テレビ放送中の賭博広告の禁止や、VIPホストへの歩合給の禁止など、マーケティング活動への制限も強化される方針だ。
同州は既に規制が厳しい市場として知られるが、本法案は連邦レベルの「SAFE Bet Act」に呼応するものであり、成立すればドラフトキングスやファンデュエルといった主要オペレーターの収益に甚大な影響を与えることが予想される。
source: iGB
- ジョン・キーナン(マサチューセッツ州)上院議員は、クインシー(ボストン南東に位置する「大統領の街」と呼ばれる歴史ある地域)を基盤とする民主党のベテラン議員。特に「オピオイド危機対策」や「タバコ購入年齢の21歳への引き上げ」など、州民の健康と安全に関わる法案を主導した実績で知られている。州のギャンブル関連政策についても立場を明確にしている。マサチューセッツ州議会において、彼はギャンブルを単なるエンターテインメントや税収源としてではなく、「公衆衛生上のリスク(Public Health Crisis)」として捉える急先鋒ですある。 ↩︎

