【タイ】首相、中国の習主席に「カジノで経済刺激はしない」と約束

Thai

タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相は、APEC首脳会議において中国の習近平国家主席と会談し、タイはカジノを合法化せず、ギャンブルを経済刺激策として利用しない方針を明確に伝えた。最近発足した新政権は、前政権が進めていたギャンブル関連法案を全て停止しており、アヌティン首相は「タイ国民の能力、製品、技術に頼る」と述べ、独自の経済再建策を模索する姿勢を強調した。この反ギャンブルの姿勢は習主席からも賞賛されたという。

この政策転換の背景には、中国人観光客の深刻な減少がある。国境付近の詐欺センターや著名人の誘拐事件など治安への懸念が広がり、観光地としてのタイのイメージが悪化1。航空各社も中国-タイ路線の便数を削減している状況だ。

カジノを含む統合型リゾート(IR)は、観光業の起爆剤として大きな期待が寄せられていたが、ペートンタン・シナワット前首相の退陣に伴いカジノ推進派が政権から離れたことで、カジノ合法化の議論は事実上白紙に戻った。新政権は、まず安全性の確保を通じて観光客の信頼を回復することを最優先課題としている。

source: IAG [Thai PM Anutin promises Chinese President Xi that casinos won’t be used to stimulate economy]


  1. 「観光客減少は、タイ国境のスキャムセンターや中国人俳優ワン・シン氏の誘拐事件(後にミャンマーの詐欺拠点で発見)などネガティブな事件による「安全性のイメージ悪化」が主因」(IAG [Falling Thailand visitor numbers linked to safety concerns as IR operators say it’s time to reboot tourism offering]) ↩︎