【アメリカ】シドニーからブロンクスまで、バリーズ社はゲーミング業界の謎である。

Ballys

米ゲーミング大手バリーズ・コーポレーション(Bally’s Corp.)が、業界の「エニグマ(謎)」として注目を集めている。同社は厳しい財政状況にありながら、一見不可能に見えるプロジェクトを次々と前進させているためだ。

象徴的なのがニューヨーク・ブロンクスでのカジノ計画だ。40億ドル規模のこの計画は、市議会での反対に遭い頓挫しかけたが、エリック・アダムズ市長の介入により申請が実現。市長とトランプ前大統領との関係性も指摘され、物議を醸している。

また、オーストラリアでは経営難のスター・エンターテイメントの買収を主導。同社が手放す予定だった巨大IR施設「クイーンズ・ワーフ」の権利が、契約不成立により予期せずスター社の元に留まるなど、幸運にも恵まれた。

スー・キム会長の強力なリーダーシップの下、逆境を乗り越え続けるバリーズだが、その綱渡りのような経営がいつまで続くのか、市場は固唾を飲んで見守っている。同社の株価は年初来で50%以上下落しており、その将来性には依然として疑問符が付く。